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2010年2月15日 (月)

残っていた「帝國銀行」

 先週金曜日の、仕事帰り。
 ちょっと早目に職場を出れたので、「小樽雪明かりの路」会場をひと回りしてから帰ろうと考え、小樽のマチナカへ。

 旧銀行街の交差点まで来ると…おや?空家の筈の旧三井銀行小樽支店に灯りが入っている?
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 近づいてみると、なんと「内部公開中」。NPO法人のイベントで、館内見学とアート展を実施しているとのコト。
 迷うことなく、お邪魔させて頂きました。

 三井銀行小樽支店は1927年に、曾禰中條建築事務所の設計で建築されています。鉄骨鉄筋コンクリート地下1階・地上2階建てで、かつてこの界隈に建ち並んでいた都市銀行各行(三菱・第一・拓銀・勧銀・富士・東京など)の中でもひときわ存在感のある建物です。
 三井→帝國→三井→太陽神戸三井→さくら→三井住友…と銀行名が移り変わりながらも、都市銀行最後の「小樽支店」(1980年代の一時期、特別出張所に格下げされたこともあった)として使用されて来ましたが、2002年11月に閉店。現在は石屋製菓の所有となっています。

 営業フロアだけでなく、2階の会議室、1階奥の金庫室と支店長室、地下の貸金庫室などを案内して頂きましたが、床材や調度品などが創建当時のまま残されている所が多く、往時の華やかさが偲ばれます。長らく空家になっているこの建物ですが、石屋製菓では内装保持のため冬季間にはきちんと暖房を入れ、環境の保全を図っているそうです。

 そして驚いたのが、2階会議室に展示されていた各時代の銀行看板。
 上記のとおり、時代と共に改称を繰り返して来たこの銀行ですが、ほぼ全期間の行名銘板が残されています。
 特に目を引くのが、「帝國銀行小樽支店」の軒看板。
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 帝國銀行は1943年に旧三井・旧第一両行の合併により発足し、1944年に十五銀行を吸収合併しています。しかし敗戦後の行内対立から1948年に第一銀行と(新)帝國銀行が分離、帝銀は旧財閥名使用が可能となった1954年に再び「三井銀行」に改称しています。
 (一般的には、1948年1月に旧椎名町支店で発生した「帝銀事件」で、名を知られているでしょうか…)

 従ってこの軒看板、1943年から1954年までの期間に掲げられていたものと思われます。
 すでに半世紀以上経過。よくぞ残っていたものです。

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 銀行営業当時のカウンターなどもほぼ原型で残されているこの建物ですが、それ故に再利用が難しいとのこと。しかし、このまま「閉鎖」しておくには、あまりにも惜しい文化遺産です。
 ぜひ何らかの形で、再利用されることを期待したいものです。 

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